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more beautiful each day

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2019.11.20

プロの経験とテクニックを、誰もが手にすることを可能にした「 G R I D 」

その誕生に至るまでの軌跡とこれから。

ヘアメイクアップアーティスト 中嶋竜司 × GRIDディレクター 八木亮代

 

女性の輝く美しさを追求しヘアメイクの時代をつくってきたヘアメイクアップアーティスト・中嶋竜司氏、そして長年のキャリアの中でスキンケアというアプローチで女性の肌悩みに向き合ってきたGRIDディレクターの八木亮代。このふたりからGRIDの誕生秘話や「究極の素肌」「ファンデーションはつくらない」という新しいメイクの考え方、そして今後についてお伝えします。

 

—サザビーリーグ初の試みともいえるオリジナルコスメブランド「 G R I D 」ですが、誕生へ動き出したいきさつを教えてください。

 

グリッドディレクター 八木亮代(以下、八木)私はスキンケアというアプローチで美容に携わってきましたが、いつも大事にしてきたのは「ツヤと透明感」。女性は年齢を重ねていくと、くすみやクマ、小じわ、シミなどが気になるものですが、ツヤと透明感があれば、年齢を感じさせない美しさを引き出せると考えていたからです。でも一方で難しいなと感じていたのは、それを叶えてくれるメイク。私自身もそうですが、若い頃はどんなメイクも自分を輝かせてくれるものだったのに、だんだんとメイクは年齢を感じさせるもの、隠すものへと変わり、悩ましいものになっていきました。

そんなときに竜司さんのファンデーションを使わずに美しくツヤっぽい素顔をつくるメイク方法を知って衝撃を受けました。これこそ大人の女性の悩みを解決する答えだ!と。「こんなコスメがあったら」と、竜司さんに相談したのがはじまりです。

メイクアップアーティスト 中嶋竜司氏(以下、中嶋)メイクにおいて僕が一番に大事にしているのはベース。ですからツヤと透明感を叶えるコスメをつくりたいと八木さんからお話しをいただいたとき、これまでのキャリアや経験がそんなふうにカタチになって、さらに多くの女性のお役に立てるなら!と、二つ返事でお受けしました。

あと、心動いたのにはもう一つ理由があって、今世界的にも主流になっている“ナチュラル”なメイクというものを正しく浸透させたいという思いがあったからです。僕は、ファッションがドレッシーならアイラインをくっきり、リップもしっかり塗るというのがナチュラル、一方でカジュアルならツヤや透明感をまとった輝く素肌のようなメイクをするのがナチュラルと、ファッションに合わせたメイクこそがナチュラルだと考えています。でも街を見渡すと、カジュアルなのにマットなしっかりメイクをしていたり、逆にベースがおろそかになってくすんでいたりする人がとても多い。コスメをつくることで、女性の肌悩みを解決し、そしナチュラルなメイクで輝く人を増やせたらという二つの思いがありました。

 

—「ファンデーションはつくらない」という考えで生まれた「スキンヴェール」はユーザーにとっても業界的にとっても驚く提案でした。

中嶋:なぜ女性がファンデーションを使うのかといえば、マナーというのもありますが、一番は一部分のくすみやシミ、赤みを隠したいから。でも、ファンデーションって顔全体に塗るものだから、どうしてもマットになってツヤや透明感が失われ、結局くすんでしまうんです。僕は、だったら塗らなければいいよね、きれいな部分まで隠す必要はないよねという考えで、ファンデーションを全体に使わないんです。全体に足すのはツヤ感のみで、光で飛ばす。どうしても気になる部分だけをコンシーラーなどでちょんちょんと隠せば、マットにならず透明感のある美しい肌がつくれます。

八木:竜司さんのメイク道具を見せてもらったことがあるのですが、ファンデーションのほか、パールや練り物…プロ仕様のものからデパコス、ドラッグストアのものまで、普通じゃ発想できないようないろいろな種類のアイテムや色味のものを微妙な加減で混ぜ合わせていて「え!これを顔全体に塗るの!?」ってすごく驚きました。「スキンヴェール」はこの竜司さんのテクニックを忠実に再現し、誰もがワンプッシュでできる。ファンデーションでもなく下地でもない、これまでの常識を覆すまったく新しいカテゴリです。私が驚いたように、一度手にしたら誰もがきっとその美しい素肌感に驚くと思います。

中嶋:僕自身これまでベースに30分かけていたのですが「スキンヴェール」が完成して、1/3の時間できるようになりました。ありがたいことに、メイクアップアーティスト仲間にも「これいい!」って撮影の現場で使っていただいています。

 

— G R I D は10アイテムと、他のメイクアップコスメと比較するととてもミニマルなラインアップです。これだけで大人の女性のメイクは完成しますか?

中嶋:最初にお話したとおり、GRIDはカジュアルな日はもちろん、ドレスアップする日にも合う“ナチュラル”なメイクを提案するコスメでもあります。確かにアイシャドーも口紅もなくて本当にいいの?と思われるかもしれませんが、これにはちゃんと理由があります。例えば「スキンヴェール」は一見透明で色がないように見えますが、重ねることでカバー力がアップします。といってもマットになることなく、しっとりとした質感で華やかに仕上がりに。こうした調整ができることを僕は「出力がある」と言っているのですが、どの製品もこの「出力」にこだわっています。プレストパウダーもチークもリップペンシルも、出力によって薄くもできれば強さも表現できる。だからこそGRIDは幅広いメイクができるんです。

 

八木:すべて竜司さんが長年培ってきた経験の中から必要だと考えたもので、何となくこのアイテムが必要だよね、このカラーがいいよねといったものも一切ないですよね。チークはオレンジ一色だけですが、これにも理由があるんです。オレンジ色は舞台メイクでも使われていて、頬だけでなくフェイスラインやまぶたにのせれば、顔を立体的にみせたり引き締める効果があるカラー。誰にも合うようにその人の肌によって発色し、くすまないよう質感やテクスチャにこだわっているので、これ一つで十分なんです。

 

中嶋:そう、余分なものも足りないものもない。この10アイテムをポーチに入れておけば、日常生活はもちろん旅行にもディナーにも行ける。ときには抜け感のある美しさ、ときには華やかさのある美しさをと、メイクを自在に変化させる楽しみも感じてもらえると思います。

 

 

— G R I D はこれまでの常識にとらわれないコスメ。それだけに完成するまでには並々ならぬ苦労や譲れないこだわりがあったのではないでしょうか。

八木:いちばん苦労したアイテムで、それだけに本当にいいものに仕上がったと自負しているのは、やっぱり「スキンヴェール」ですね。「スキンヴェール」は美しいツヤと透明感を出すために偏光パールを使用しているのですが、これだけではカバー力が足りず、さらにパール特有の赤みやピンク味が出てしまいます。そこでファンデーションで使う顔料を足して調色していくのですが、量が多すぎるとマットになってしまう。この微量な調合はすごく時間をかけました。メーカーさんからは調合の割合を数字で教えて欲しいと言われましたが、本当に微妙なのでなかなか伝わらなくて、そこを根気よく調整する作業は竜司さんに助けられっぱなしでした。

 

中嶋:メーカーさんから試作品が出てくるたびに「あとちょっと、あとちょっと」ってね。腕につけてみて「僕がつくりたいのはこっち」「今できあがってきているのはこっち」と、自然光や蛍光灯の下で見てもらって「ほら、微妙に輝きが違うでしょ?」と、何度も何度も繰り返して。最後の最後は八木さんとメーカーさんの研究所まで押しかけて(笑)、気がつけば100以上の試作品をつくってましたよね。今思い返せば、よくぞメーカーさんも最後まで付き合ってくれたなぁと思います。

 

八木:竜司さんのこだわり、つくりたいものへのまっすぐな情熱は、もう本当に尊敬しました。話せばキリがありませんが、マスカラなども中身だけでなく容器や使いやすさなどもこだわっていて、ブラシの角度やカーブ、細さ、液体のしごきの具合、中身とのバランスなども、竜司さんの経験や緻密な計算が一切の妥協なく形になっていますよね。メイクアップコスメとはいえ、使いつづけることでお肌の血行がよくなり、自然とお肌の色味が戻ってくる効果をもたせたかったんです。天然由来成分や、使うだけでエイジングケアができる成分にもこだわりました。くすみの大敵である酸化や糖化を防ぐ働きのある成分を配合しているので、大人の女性に長く使っていただけます。無限の可能性の中の最小公倍数を突き詰め、本当に必要で、心躍るコスメをつくりたい。

–ロンハーマン各店やエルショップでの先行発売、イベントなどですでに多くのお客様にGRIDを手に取っていただいていますが、反響や手応えはいかがですか?

中嶋:イベントでお客様にメイクをしたら「私の顔じゃないみたい!」と感激される方、メイクをする前後では表情がまるで違って生き生きと帰られたりする方を目の当たりにして、年齢に関係なく女性にとってメイクがどれだけ大事なのか、美しい素顔がつくれるメイクを求められていたのかを実感しています。メイクの仕事をメイクが好きだ!ってことを再認識しました。

八木:似合わないからとか、何かのきっかけでメイクをやめてしまった方、悩みに悩んで「これでいいや」とあきらめていた方が手にしてくれています。完成する前から「こういうのを待っていたの!」という方が大勢いると信じてやってきましたが、もう一度メイクする楽しさをご提供できたようで、心から嬉しいです。

 

—最後に G R I D の今後の展開についてお考えをお聞かせください。

中嶋: GRIDというプロダクトは完成しましたが、今度はこのGRIDの考え方とメイク方法をしっかり浸透させていきたいですね。またデビューラインは10アイテムとなりましたが、よりメイクを楽しんでいただけるようカラー展開なども考えています。もちろん流行などではなく大人の女性の魅力を引き出すための意味のあるカラーを厳選します。あとは、今回はメイクアップコスメということで、僕の想いをたくさん詰め込ませていただきましたが、今度は八木さんの経験や知識をもっと活かして、スキンケアやヘアケア、ボディケアまで女性の肌をトータルにケアできるものを考えていきたいし、やらないといけないって思っています。

 

八木:そうですね。まずは新ブランド・GRIDをしっかり浸透させていくことが第一ですが、いずれは竜司さんがおっしゃるようにトータルケアにも目を向けていきたいですね。とはいえ、ただ単にアイテムを増やしたり、最新の科学を駆使したりするのではなく、新旧多くの可能性の中から、本当に必要で、楽しくケアできると思うものを提案したいと考えています。つまり「無限の可能性の中の最小公倍数」を突き詰めていくこと。それが結果新しい価値観となり、お客様に「そうそう、こういうものが欲しかったの!」と心躍るものづくりをしていきたいですね。

取材/文:神野扶由子

profile
ヘアメイクアップアーティスト 中嶋竜司
ヘアメイクアップアーティストとしてのキャリアは35年。独自のメイク手法は、国内のみならず世界中の女優やモデルからも信頼が厚い。このメイク手法を「より多くの女性を届けたい」との強い想いから、GRID開発に携わる。

GRIDディレクター 八木亮代
大手製薬会社、国会議員秘書を経て美容業界へ。サロンオーナー兼エステティシャン、育成等に携わりキャリアは20年。現在GRIDディレクターとして商品開発を手がける。

 

 

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