GRIDは全身をまとう
空気感をぐっと
洗練させてくれるヴェール
今回は、誕生当初からGRIDを愛用、店舗でも取り扱いいただいているロンハーマン・ウィメンズディレクター根岸由香里さんに、ご自身のメイク観やGRIDの魅力、おすすめの使い方などをうかがいました。
服、メイク、ヘアすべてが揃ってコーディネート
“お手入れは行き届いているけれど、どこかナチュラルさがあって、その人自身の魅力に溢れている”。仕事柄、いろいろな方にお会いする機会がありますが、共通して素敵だなと思うのはそんな方々です。服はもちろん、メイクやヘアスタイルもそう。とくにヨーロッパのファッション関係の方は、素肌にポイントメイクだけというヌケ感がとても自然でお手本になりますね。
一方で日本の街を見渡してみると服のコーディネートはとても素敵なのに、メイクがトゥーマッチな方がまだまだ多いのかなという印象……。やはり洗練された装いには、艶と透明感のあるナチュラルな肌感こそ大事な要素だなと感じます。
ローンハーマンでも「服だけでなく、メイク、ヘアすべてが揃ってコーディネート」ということをスタート当初から提唱しつづけていて、スタッフにもバランスを意識しようねということはよく話をしています。
「ファンデーションを塗らない」GRIDのメソッドに衝撃
自分でいうのもお恥ずかしいのですが、私は引き算された「いい感じ」のメイクができていると思っていたんです。でも、GRIDのスキンヴェールを肌に乗せたとき、これまでの私のメイクの常識が一転しました。やり過ぎないメイクを意識してきたとはいえ、私の中ではファンデーションは塗るもの。でも、スキンヴェールによってツヤと透明感をまとった肌は、この20年来の思い込みをいとも簡単に外してくれました。
そして新たな発見だったのは、コーディネートを全身でみたときの空気感がガラリと変わったこと。こなれ具合やヌケ感といったバランスが非常に取りやすくなり、同じ服なのに洗練具合がグッとアップしたのは驚きでしたね。
たった11アイテムなのによりメイクの幅が広がる
GRIDはアイテム数が全部で11、色も決して多くないのですが、いろいろなコーディネートやシーンに合うメイクが自在にできるのもお気に入りです。
ロンハーマンで提案しているTシャツにデニムというような日常のスタイルなら、ツヤ感のあるお肌に、唇か頬にひとつ色を差すのがおすすめ。今だったら赤いリップ、もしくは発色のいいハイライトチークで血色感を入れると全体的にバランスがいいですね。夜ドレスアップするようなシーンであれば、私はスキンヴェールを1プッシュ多めに使います。上質なツヤ感がアップして、それだけで上品な華やかさが生まれます。
仕事でシャキッとしたいときは、眉用のアイブロウライナーをアイライナーとして目尻に引いたり、ピンク色のルージュリップペンシルを目尻に入れて気分をあげたり。GRIDのコスメは使う量、使う場所など限定せず使えるので、少ないアイテムでも幅広いメイクができるのが魅力です。
新しいアイテムよりも、新しい価値観を発信する存在に
ファッションやコスメだけではなく、最近は何でも新しいものを取り入れる時代から、本当に自分に必要なものは何だろう? というのを考えて選びとる時代へと変化しつつあります。新型コロナ禍以降、こうしたサステナブルな選択や行動は加速したと思いますし、自分でもより深く考えるようになりました。
そういった側面で考えると、たくさんの色やメイク道具で「足す」のではなく、自分が本来持っているものに目を向けて、自然な美しさを「引き出す」ことを追求しているGRIDの考え方にはとても共感できます。
じつはGRIDを使って気が付いたのですが、これまで他ブランドで最後まで使い切れたコスメってなかったんですね。ですがGRIDのコンシーラーは、今2個目。もちろん製品自体がいいというのもありますが、これは自分にとって本当に必要なものを考えて「引き出す」メイクに変わったからだと思います。今あるものを活かして、使い切るということはサスティナビリティの基本にも通じていますね。
私にとってGRIDは、日々の装いに欠かせないものであると同時に、今あるものを見直して新しい気づきを与えてくれる存在。今後、新しいアイテムも出てくると思いますが、こういう使い方があるんだとか、人に対しても環境に対しても配慮されているとか、時代に合わせて新しい価値を発信して欲しいと考えています。
取材/文:神野扶由子
profile
根岸由香里 Yukari Negishi
Ron Herman事業部事業部長兼ウィメンズディレクター。文化服装学院卒業後、セレクトショップで販売、企画、バイイングを担当。2008年、ロンハーマン立ち上げ時にサザビーリーグへ。2016年から現職